SKアウストリア・ケルンテン - オーストリア・サッカー専門ホームページ

SKアウストリア・ケルンテンは、2007年6月1日に新しく設立されたオーストリア・ケルンテン州クラーゲンフルト市を本拠地とするサッカークラブ。現在の所ケルンテン州で唯一オーストリア・ブンデスリーガ（1部）に属しているクラブである。

2007年の夏までSVパッシングが保持していたオーストリア・ブンデスリーガのライセンスを2007年6月1日に正式に譲り受けて設立された。

2007年、SVパッシングのグラート会長がオーストリア・ブンデスリーガのライセンスを他のクラブに譲りたい、と発言した以降、「移民排斥」や「親ナチズム」等を主張し、オーストリアで極右・煽動政治家として知られているイェルク・ハイダー州知事がSVパッシングのグラート会長と頻繁に連絡を取るようになり、オーストリア・ブンデスリーガのライセンスをケルンテン州のクラブに譲るように誘致。

約1ヶ月間に及ぶ交渉後、クラーゲンフルトに新しいクラブ「SKアウストリア・ケルンテン」が設立され、SVパッシングが保有していたオーストリア・ブンデスリーガのライセンスを譲り受ける事が例外としてオーストリア・サッカー協会により正式に認められたことにより、初年度からオーストリア・ブンデスリーガに属することになった。

このようなことは前例が無かったため、非現実的と世間は冷めていたが、実際に可能になったところからもイェルク・ハイダー州知事の政治力が見える。実際のクラブ会長はマリオ・カノーリという実業家だが、イェルク・ハイダーのクラブへの影響力は絶大で「影の会長」と言われている。

全くのゼロからのスタートであったため、選手を新たに集めなくてはならず、主に財政破綻により3部に降格したグラーツァーAKやライセンスを譲ったSVパッシング、レッドツァック・1部リーグ（オーストリア2部）に所属していたFCケルンテン等から多くの選手が移籍して新しいSKアウストリア・ケルンテンのチームが作られた。

クラブ初の監督にはグラーツァーAKや1860ミュンヘンを率いたヴァルター・シャッハナーがイェルク・ハイダー州知事自らにより招聘された。

全く歴史の無い新興クラブなので、サポーターの数も少なく、「人工的に作られたクラブ」と揶揄されている。
また、イェルク・ハイダー州知事の影響もあり、白人以外の選手に対しては非常に厳しいクラブである、ということが業界内で知られている。

ちなみにライセンスを譲ったSVパッシングは自動的にオーストリア5部に降格した。